『掬われる声、語られる芸――小沢昭一と『ドキュメント 日本の放浪芸』』

2023年5月12日、この7年ほどの研究成果である『掬(すく)われる声、語られる芸――小沢昭一と『ドキュメント 日本の放浪芸』』(春秋社)を出版しました。

さまざまな方に手を差し伸べて頂いてできた本なので、本の後ろに手が千本くらい見えます。掬(すく)われたのは、私の声ということで・・・

内容と目次はコチラにございます。

書店に並ぶ上の書影も美しいですが、デザイナーの芦澤泰偉〔あしざわ・たいい〕さん(http://www.ashizawa.co.jp/)による装幀ができてきた段階で、担当編集者の中川航さんがプリントアウトしてカバーを手作りして写真を撮って送ってくださったハンドメイド版も、なんとも良い出来立てのぬくもりがあります。これを見た瞬間から、7年間にあったはずの苦労話を一つも思い出すことができません。

小沢昭一さんがマイクとデンスケを持っている写真はこれだけだと思います。一緒に旅をしたビクターのディレクター市川捷護さんが「何気に」撮られた写真とのこと。。。本著をまとめ始めた1年前からラストスパートまで、この写真がずっと幻影のように目の前にちらついていました。