ユニバーサルデザインと伝統芸能
目の見えない方、見えづらい方に浄瑠璃の世界へお越し頂くために、大阪大学大学院の社会人向けアート人材育成プログラム「中之島に鼬を放つ」の私のプログラムでは、社会福祉法人日本ライトハウス情報文化センター様(大阪市西区江戸堀)を講師としてお迎えして3年目となります。今年度は館長の久保田さんのアイディアで、9月1日当日の開演前に、受講生を対象として、目の見えない方を街で見かけたときにどのように声をかけたらよいか、どのようにガイドをしたらよいか、という具体的なお話を頂きました。このお話と実演がとても素晴らしく、一般のお客様にも一緒に聴いて頂けたらよかったのではないかと、次の機会を考えることになりました。
受講生の中には、昨年度の催しの後に日本ライトハウスさんの視覚障害をもつ職員の方にたまたま地下鉄でお会いして、浄瑠璃について語り合ったという人もいます。ユニバーサルデザインと、現在では「ユニバーサル」とは相反することの多い伝統芸能を合わせることで、思いがけない出会いが生まれて「声」の文化となる創生の機会を作って頂いた日本ライトハウス情報文化センター様に、心より御礼申し上げます。写真は今回の催しを支えた私のバイブルの二つです!