小沢昭一さんのお墓参り@向島2022

昨年の小沢さんの命日(の数日後)には、小沢さんを取り巻く重鎮のお三方(市川さん、小川さん、津島さん)にタクシーで連れて行って頂いてお墓参りをしましたが、今年は前日、一人で浅草寺を抜けて向島の弘福寺まで歩いてみました。言問橋を西から東へ隅田川を渡ると、正面にスカイツリーを見て、北が向島、南が私の出生地・横川界隈であり、ご縁の分かれ道でございます。
お墓の前で写真を撮られては小沢さんもご遺族の方もさぞやご迷惑と思いますが、『ドキュメント日本の放浪芸』が小沢さんを生まれ変わらせたように、『ドキュメント日本の放浪芸』についての本を書くことで私も生まれ変わらせて頂いたので、10年目の命日に花を添えるということでお許し頂きたく存じます。脱稿までにお世話になった関係者の方々への御礼もお伝えしました。いろいろな方に巡り合えて楽しかったことが、前著との大きな違いでございます。

最近は身も心も大阪人になった私ですが、江戸の風流が未だ香るこの界隈に魅せられました。32歳のときにこのお墓をご自分で建てられた小沢さんにあやかり、私もお墓をどこにするか考えようと思います。32歳でお墓に想いを馳せていたというのは、本当にすごい人です。

準備中の本の仮タイトルは、『掬われる〈声〉、語られる〈芸〉――小沢昭一と『ドキュメント 日本の放浪芸』』で、2023年4月頃に春秋社さんより刊行予定でございます。